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消防士時代、副業で家主業開始~10年経たぬうちに200室のオーナーに~

 副業で不動産投資を開始してから10年も経たないうちに、約200戸所有のオーナーとなり、350人超を抱える家主の会の代表を務める谷弦樹(げんき)オーナー(京都市)。経緯や取り組みについて着目する。

谷弦樹(げんき)オーナー(京都市)。会員数350超の「元気が出る大家の会」を主宰している。

 元々、消防士として活躍していた谷オーナーは2015年9月、妻を代表にした法人を立ち上げ、不動産賃貸業を開始した。当時を振り返り、「消防士や警察官は役所勤めの公務員と異なり、平日の休みに物件調べや営業に行きやすい環境にあるため、不動産投資は『私のためにある』と感じた」と話す。



初投資した物件はノールック 購入後も埋まらず全空



そんな谷オーナーが最初に購入した物件は、横浜市に建つほぼ新築に近い木造アパートで、谷オーナーとは縁もゆかりもない場所だ。さらにノールックで不動産会社とサブリース契約を締結したという。

 物件は、竣工から数カ月経つにも関わらず、全空で、繁忙期でも1室も埋まらない状態だった。サブリースとはいえ、いつまで経っても1つも契約が決まらない状態に焦りを感じ、妻からは大丈夫なのか詰問され、京都から横浜まで足を運んで、ビラを巻いたり、家具家電付きにしたりした谷オーナーは、ほぼ満室まで持っていき、売却することができた。



ドミナント戦略を採用し、緻密に計算



 苦い経験から、土地勘のある京都にエリアを絞ろうと決め、敏腕オーナーからビジョンを聞く中で自身も経営者として不動産事業に専念しようと決意。好きだった消防士の仕事に区切りを付け、21年3月から専業大家として活動している。

 ドミナント戦略を採用した結果、ファミリータイプをメインに約11棟、200室所有まで至っている。「1棟目で学んだ分、不動産会社にヒアリングを行いながら、自分でも市場調査をしたり利益を生み出せるかどうか緻密に計算したりしてから購入し、運営するようにしている」(谷オーナー)。

 しかし、それだけではなく自身の幸福度を大事にしている谷オーナー。一男二女の子育てに奮闘し、楽しみながら家族5人で過ごす時間を大切にしているという。



家主の会代表としても活躍 クラウドファンディング活用したイベント開催

ブログや活動報告など、さまざまな情報を発信している

 そんな忙しい日々を送る谷オーナーだが、「バーニング大家」のネームでコラムを書いたり、会員数250人超えの家主の会「元気が出る大家の会」を主宰したりするなどしている。「元気が出る大家の会」について、「そもそも会を作ろうというより、自分の行動を継続させながら、同志と楽しむために作った。それがどんどん広がっていって今の人数になった。さまざまな家主の団体があるが、当会では、情報など共有・共感し、成長していける場になれたらと思っている」と話す。

2023年12月に大阪・難波で開催したイベント「元気が出る大家祭in大阪」の様子。500人以上が来場した

 2023年12月には、会員ら500人を集めた「元気が出る大家祭in大阪」を実施。参加者の負担を減らすため、クラウドファンディングにも挑戦した。

 今年の12月14日土曜日、大阪市内にて2回目を開催する予定だという。谷オーナーは「会は、一人ひとりの小さな波から、大きな渦へと変わり力になっているように思う。私自身、単なる投資家としてただ資産を増大させるのではなく、家族との充実した時間を大切にしながら、今後も活動の幅を広げていきたい」と意気込みを語った。

元気が出る大家の会 WEBサイト:https://genki-ooya.com/



ライター:加藤有里子
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